2023.12.20

印刷方法の種類って?特徴と使い分け

印刷には大きく分けて4種類の方法があります。
実際に印刷物を制作する段階になって、初めて意識する方も多いのではないでしょうか?
今回は印刷物制作の入門編として、印刷方法の種類についてお伝えします。

そもそも印刷とは?

印刷とは、文字や絵柄を刻んだ原型の「版」にインクをのせて、紙に押し付け定着させ複製することとされています。
印刷の歴史は古く、遡ると古代の中国ですでに木製の「版」での印刷方法が確認されているのが驚きですね。
現代に至るまでに様々な印刷方法が確立され、今では目的に応じて印刷方法が使い分けられています。

印刷方法の種類

印刷方法には多くの種類がありますが、今回は大きく分けた4種類の方法をご紹介します。
出来るだけ分かりやすくそれぞれの特徴をお伝えするため、ここでは簡単な説明のみとさせていただきますので、気になった方はぜひ詳しく調べてみてくださいね。

活版印刷
凸のある「版」にインクを付けて、判子のように紙に圧力をかけて転写する方法です。
「凸版印刷」の一種と分類されています。
圧力をかけて紙に転写するので、紙に僅かに凹みが生まれることが印刷物としての特徴で、他の印刷方法には無い味わいや迫力があります。
数ある印刷方法の中でも歴史が古く、昔は新聞や名刺などによく使用されていましたが、印刷工程に多くの資材や高度な技術を要するため、だんだんと専門に扱う印刷所は数を減らすこととなりました。
ですが現在でも活版印刷のもつ独特の味わいを求める愛好家の方は多く、特に名刺制作では根強い人気があります。

オフセット印刷
現在主流とされる印刷方法で、大量印刷に適しています。
複数のユニットが連なるオフセット印刷機を用い、油(インク)と水が反発しあう力を利用して紙に転写します。
凹凸のない平らな「版」を使用するため、「平版印刷」とも呼ばれています。
短時間で鮮明な印刷をこなせることが特徴で、大量に印刷することで単価を抑えられるため、多くの商業印刷でオフセット印刷が選択されています。

スクリーン印刷
スクリーンと呼ばれる「版」に小さな孔をあけておき、圧力によって通過したインクで印刷する方法です。
現在印刷で使用されるスクリーンの素材はポリエステルやナイロンなどの樹脂ですが、もともとは絹が使用されていたため「シルク印刷」とも呼ばれていました。
曲面などの形状にも対応し、様々なものに印刷できるのが特徴で、紙や布はもちろん、陶器やガラス、電子製品や液晶画面などへの印刷にも活用されています。

グラビア印刷
凹のある「版」にインクを入れ、はみ出したインクを取り除いた後に、凹部分に残ったインクを転写する印刷方法です。
他の印刷方法に比べてインクを厚く盛れるため、迫力ある仕上がりになります。
インクの量が調整しやすく、写真の再現性が高さが特徴で、主に写真集や美術書などの印刷に活用されています。

印刷方法の使い分けるポイント

4つの印刷方法を見てみていかがでしたか?
これから印刷物の制作を始めるという方は、まず作りたい印刷物の役割を確認してみましょう。
新商品をアピールするチラシを、出来だけ低コストで印刷して多くの人に見てもらいたいという役割であれば「オフセット印刷」が適していますね。
また、じっくり時間とコストを掛けたこだわりの名刺を作りたいのであれば「活版印刷」やその他の特殊加工を利用すると魅力的な仕上がりになるでしょう。

それぞれの印刷方法によって、かかる費用や写真の再現性などは異なります。
現在は「オフセット印刷」が主流ですが、作りたい印刷物によっては他に適切な印刷方法があるかもしれません。
作りたい印刷物の役割と納期・予算などを擦り合わせて、様々な印刷方法の可能性を検討してみてください。

番外編「版」を使用しない印刷

より身近な「版」を使わない印刷方法に、インクジェットプリンターやレーザープリンターがありますよね。
同じく「版」を使わない印刷方法として「オンデマンド印刷」が挙げられます。
「オンデマンド印刷」と「オフセット印刷」の違いとは、印刷に「版」を使用しているかどうかです。
従来の印刷と違い「版」を作る必要が無いため、データを入稿するとすぐに印刷処理ができ、早ければ即日納品も可能です。

オンデマンド印刷
・即日納品・短納期などスピード対応が可能
・少部数、少量印刷向き
・目的に合わせて柔軟な対応ができる
・オフセット印刷に見劣りしない仕上がり

しかし、オンデマンド印刷はどうしてもインクが剥がれやすいため長期保存には向きません。
また、印刷枚数が増えるほどコストが高くなってしまうので見極めが大切です。
長期保存する予定のないチラシやキャンペーンDMなどを印刷する場合にはオススメです。
最近よく利用されている年賀状のネット印刷は、ほぼこの「オンデマンド印刷」が利用されています。

【まとめ】
今回ご紹介した印刷方法の他にも様々な印刷方法があります。
今後作りたい印刷物の参考が欲しい!という方は、サンプル請求ができる印刷所もありますので活用してみてください。

今回のコラムの他にもケイデザインでは【デザイン・印刷物】に関するコラムをアップしています。
ぜひあわせてご覧ください。

この記事を書いた人

あらいぐま

あらいぐま

WEB デザイン担当。お酒はほどほどに。レトロデザインと映画、毛のある生き物とトカゲがとても好きな射手座の長女。

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