2023.12.04

仕上がりが変わる!?『用紙』の種類と選び方

身の回りの『紙』、皆さんはどんな紙がお好みですか?

新聞、チラシ、ノートや付箋、はたまたティッシュやトイレットペーパーにいたるまで、紙はそこら中にあって毎日触れるものですが、『紙』そのものをしっかり意識する機会は稀ではないでしょうか?

印刷物の制作における『紙』選びは、まさに意識することが大切なんです。

今回は『紙』、とりわけ告知用チラシや、展示会のDM・ポスターといった『PR媒体を制作する時』に主眼を置いて、紙の種類と選び方についてお伝えします。

『紙』ってどんな種類があるの?

紙の種類は❝無数❞と言ってもいいくらいたくさんあります。
なので、最初から「この紙で印刷を!」のようなオーダーをされる方はほぼいません。
(※例外として、「以前使用した紙でいいので」のような、前例があってのオーダーはあります。)
ご依頼をいただく私たちも、特にご要望がなければ流通の多い用紙から選んでご提案することが多いです。その際に対象となる用紙が主に『コート紙』・『マットコート紙』・『上質紙』と『その他特殊紙』あたりになります。

『その他特殊紙』は該当しませんが、それらの用紙のメリットは流通量が多いゆえのコスパの良さと、お客様への説明のしやすさにあります。
それぞれ特徴がありますので、参考にしてみて下さい。

◎ コート紙
一般的な広告チラシ・フライヤーなどに多く使用されているもので、紙の表面をコート剤でコーティングし、ツルツルとした感触とツヤ・光沢があります。インキのノリも良く写真や色の再現性に優れていますが、鉛筆やペンで書いたりスタンプを押すのには向いていません。適度な強度もあるので、比較的傷みにくいのも特徴です。

◎ マットコート紙
コート紙の様に紙面上にコーティングをしていますが、ツヤ消しなので光沢が抑えられサラッとした手触りです。ツヤがなく若干インキが沈みやすいですが、全体的に落ち着きのある上品な印象に仕上がります。鉛筆やペンで書き込むのも問題ありません。

◎ 上質紙
紙面上にコーティングがされていない紙です。紙表面の凸凹によりインキが紙に沈みやすいため、インキの鮮やかな発色は期待できません。そのため写真やインキを多く使う印刷物には向いていませんが、鉛筆・ペンなどの筆記性は優れています。価格はコート紙よりも安価で、コピー用紙などに使われています。

◎ 特殊紙
様々な種類がありコストも高めなので、用途や予算、印象などのご要望を伺いながらピックアップします。名刺や特別な書面、あるいは最初にお客様から「手触りがいい」などのご希望がある際に検討します。

紙によって印刷の発色や筆記性などの特徴と紙本体の費用に違いがあるので、要望や気になることがあれば質問するようにしましょう。

厚みはどう考える?

PR媒体の用途によってオススメの厚みも変わります。
一般的にはパンフレットのような冊子系は『厚手』、チラシのような配布に使用する紙の厚みは『薄手』を採用することが多いです。
長く保存してもらいたい場合や高級感を求めるなら、しっかりした作りになる『厚手』が望ましいですし、チラシのように保存性・高級感をそれほど求めないなら『薄手』で十分という判断になります。厚みによっても仕上がりの雰囲気は変わるので、制作する媒体の告知目的と保存の期間・記載内容によって検討します。

さらにより具体的な厚みについてですが、弊社では❝㎜❞でなく❝kg❞でお伝えしています。チラシだとコート紙90kgの『薄手』、パンフレットだとコート紙135kgの『厚手』を基本にしてご提案することが多いです。
この❝kg❞は印刷業界の用語で、原紙を1000枚重ねたときの重量を表すものなのだそうで、
厚みがあるほど重い❝kg❞表記になります。

注意点として、用紙の種類によって同じkgでも実際の厚みは(0.0㎜単位ですが)違います。
そして用紙が厚いほど印刷費(用紙の費用)は上がります。
近頃は物価上昇の煽りを受けて、紙の値段も以前に比べると上昇傾向にあります。

具体的な紙の選び方は?

ここまで、用紙の特徴と厚みについてお伝えしてきましたが「実際、どう選べばいいの?」という方に向けて、簡単な手順をお伝えします。

① まず最初は、「制作するものが何?」かを明確にする。
例えば名刺なら、今まで頂いた名刺に使われている紙の厚みや色、手触りなどを観察してみてください。
そして他にも、パンフレット、チラシ、コピー用紙があれば実際にさわってみてください。
それぞれ厚みや肌触りの違いがありませんか?
そして実際に見て、触った紙を基準に「もっと厚みが欲しい」や「光沢を抑えた感じがいい」など感想がでてくれば紙を選ぶ基準ができたことになります。

② 次は予算と優先順位の検討。
用紙はこだわるほどたくさんの種類があるので、こだわりすぎると予算オーバーということになりかねません。制作する物がどんな用途で使用されるのかを考えて、まずは紙の厚みや強度、写真の発色具合など優先度の高い項目から洗い出し、優先順位をつけましょう。
チラシ、パンフレット、名刺、ハガキ、ポスターなど紙の制作物は、各々によく使用されている種類の紙があります。発色がいい、手触りがいい、耐久性があるetc…紙の特性がその制作物に適しているかも紙選びの重要なポイントとなります。
用紙の特性と用紙の値段、これらのバランスを考えながら種類を絞り込んでいきましょう。
この時点ではまだ、具体的な紙は決定しなくても大丈夫です。

③ 最後に、実際の紙を見てみる。
自分で作る場合であれば、印刷所にサンプル注文をすると紙のサンプルを送ってもらえます。※有料・無料は要確認!
そのサンプルと用紙の特性、印刷費用を確認しながら用紙を選定します。
制作を依頼する場合は、可能なら①で参考にした紙を打合せに持っていき、「これよりも~~~」といった要望を伝えるとイメージが共有しやすくなります。さらに、予算や②の制作時に優先したいことを合わせて伝えれば、ある程度絞り込まれた紙サンプルを提案してもらえるので、選ぶ際の迷いが少なくなります。加えて懸念事項や分からないことがあれば質問できるのでより安心です。

名刺の制作に関しては、過去もブログでもご紹介してますのでよろしければご参考に。
⇒ 『らしさ』が伝わる名刺づくり

【まとめ】
紙に印刷する制作物は、使用する紙によって仕上がりの印象がグッと変わるのでとても面白いです。ケイデザインでもご依頼に合わせて、最適な素材の検討、絞り込みを行いながら分かりやすいご提案を心がけています。特にご要望がない場合は、これまでの制作実績をもとに前例を踏まえてのご説明を。少しこだわりたいなら、実際にサンプルをご確認いただきながら一緒に検討しつつ進めています。

最初は「こんな雰囲気の…」といった曖昧な希望からで大丈夫なので、こだわりの制作物づくりに興味を持たれたなら気軽にご相談くださいね。

この記事を書いた人

かんがるー

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お喜びいただいた笑顔を励みに日々精進!スキマ時間に面白漫画を発掘してはわが子に推しまくる山羊座。

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